削除請求とは? ネット上の不利益な情報を消すための手続き

削除請求とは

削除請求とは、インターネット上に公開されている情報によって、プライバシーや名誉、肖像権などの権利が侵害されている場合に、その情報を削除するよう求める手続きを指します。具体的には、ウェブサイトの管理者やプロバイダに対し、問題のある情報の削除を要求することになります。

この請求は、多くの場合、法的な根拠に基づいて行われます。例えば、他人の個人情報を無断で公開する行為はプライバシー権の侵害にあたりますし、事実に基づかない誹謗中傷は名誉毀損に該当する可能性があります。このような権利侵害がある場合、被害者は情報の削除を求めることができるのです。

削除請求の対象となる情報は多岐にわたります。例えば、個人の氏名、住所、電話番号といった個人情報、顔写真や動画、根拠のない噂話や誹謗中傷の書き込み、過去の逮捕歴や犯罪歴に関する情報などが挙げられます。

知っておくべき理由

削除請求という言葉を知らないと、インターネット上に自分にとって不利益な情報が拡散されても、どう対処して良いか分からず、精神的な苦痛を長期間抱え続けることになりかねません。

例えば、あなたが過去に起こした些細なトラブルが、匿名掲示板に詳細に書き込まれてしまったとします。その情報が検索エンジンの上位に表示されるようになり、就職活動の面接官があなたの名前を検索した際に、その書き込みを見つけてしまったらどうでしょうか。面接官はあなたに対してネガティブな印象を抱き、結果として採用を見送られてしまう可能性も考えられます。

また、元交際相手があなたの同意なく、プライベートな写真や動画をSNSに投稿してしまった場合も同様です。このような情報がインターネット上に残り続けることで、新たな人間関係を築く上で支障が生じたり、精神的なダメージを受け続けたりすることがあります。

このような状況に直面した際、「これは消せないものだ」と諦めてしまう前に、削除請求という手段があることを知っていれば、迅速に対処し、被害の拡大を防ぐことができるかもしれません。知らないままでいると、不利益な情報が半永久的にインターネット上に残り、あなたの日常生活や社会生活に悪影響を及ぼし続けるリスクがあるのです。

具体的な場面と事例

削除請求が検討される具体的な場面と事例をいくつかご紹介します。

  • SNSでの誹謗中傷: 匿名のアカウントから、あなたの容姿や性格について根拠のない悪口が投稿された場合。
  • 掲示板での個人情報晒し: 過去のトラブルをきっかけに、あなたの氏名、住所、勤務先といった個人情報がインターネット掲示板に書き込まれた場合。
  • リベンジポルノ: 元パートナーが、交際中に撮影したプライベートな写真や動画を、あなたの同意なくインターネット上に公開した場合。
  • 誤った逮捕歴の報道: あなたが関与していない事件について、誤って逮捕歴があるかのような記事が掲載され、それが検索結果の上位に表示される場合。
  • 企業の口コミサイトでの虚偽の悪評: 過去の従業員が、事実に基づかない悪意のある内容を企業の口コミサイトに投稿し、それが企業の評判を著しく損ねている場合。
  • ブログでの肖像権侵害: あなたが写っている写真を、許可なく他人のブログに掲載された場合。

これらの事例では、被害者はまず、情報の管理者(SNS運営会社、掲示板管理者、ブログ運営者など)に対して削除を求めることになります。管理者への削除依頼で対応されない場合や、管理者情報が不明な場合は、プロバイダ責任制限法に基づき、プロバイダに対して発信者情報の開示請求と合わせて削除請求を行うこともあります。

プロバイダ責任制限法(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)は、インターネット上の情報によって権利侵害を受けた場合に、プロバイダなどの責任を制限するとともに、発信者情報の開示請求を認める法律です。

覚えておくポイント

  • まずは情報の管理者へ連絡する: 削除請求を行う際は、まず情報が掲載されているウェブサイトやSNSの管理者に対し、削除依頼をすることが一般的です。多くのサイトには、削除依頼フォームや問い合わせ窓口が設けられています。
  • 権利侵害の根拠を明確にする: 削除を求める理由が、どのような権利(プライバシー権、名誉権、肖像権など)の侵害にあたるのかを具体的に示すことが重要です。法的根拠を明確にすることで、削除に応じてもらいやすくなります。
  • 証拠を保全する: 問題の情報のスクリーンショットを撮る、URLを控えるなど、証拠を保全しておくことが大切です。万が一、法的な手続きに進むことになった場合に必要となります。
  • 専門家への相談も検討する: 管理者への削除依頼で解決しない場合や、法的な手続きが必要となる場合は、弁護士などの専門家に相談することを検討しましょう。法的な知識や経験に基づいて、適切なアドバイスや代理交渉を受けることができます。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の事案に対する法的アドバイスではありません。個別のトラブルについては、必ず弁護士等の専門家にご相談ください。