雇用期間とは

雇用期間とは、労働者と使用者が雇用契約を結ぶ際に定める、労働関係が継続する期間を指します。この期間は、労働契約書や雇用契約書に明記されることが一般的です。

雇用期間には大きく分けて二つの種類があります。一つは「期間の定めのない雇用契約」で、いわゆる正社員に代表される、雇用期間に終わりがない契約です。もう一つは「期間の定めのある雇用契約」で、契約社員、パートタイマー、アルバイトなど、あらかじめ雇用期間の終了日が定められている契約を指します。

期間の定めのある雇用契約の場合、契約期間が満了すると、原則として雇用関係は終了します。ただし、契約の更新の有無や条件については、契約内容や法律によって定められています。

知っておくべき理由

雇用期間について正しく理解していないと、思いがけないトラブルに巻き込まれる可能性があります。例えば、あなたは「正社員として長く働きたい」と考えていたのに、実は期間の定めのある契約だったというケースです。

ある日突然、会社から「契約期間満了のため、来月で雇用は終了します」と告げられたとします。もしあなたが雇用期間についてきちんと確認していなかった場合、その後の生活設計が大きく狂ってしまうかもしれません。次の仕事を探す期間も十分に確保できず、経済的に困窮する事態も考えられます。

また、期間の定めのある雇用契約であっても、一定の条件を満たせば「無期転換ルール」が適用され、期間の定めのない雇用契約に転換できる場合があります。このルールを知らないと、本来ならば無期雇用に転換できたはずなのに、その機会を逃してしまうことになります。

さらに、会社側が不当に契約を更新しなかったり、契約期間中に一方的に解雇したりするケースもあります。雇用期間に関する知識があれば、そのような不当な扱いに対して、適切な対応を取ることが可能になります。

具体的な場面と事例

事例1:契約更新を期待していたが、突然の雇い止め

Aさんは、とある会社で契約社員として3年間働いていました。毎年契約は更新され、Aさん自身も「このまま正社員になれるかもしれない」と期待していました。しかし、4年目の契約更新の時期に、会社から「業績不振のため、今回は契約を更新しない」と告げられました。

Aさんは、会社がこれまで契約を更新してきた実績があることや、契約期間中に特に問題を起こしたこともないことから、当然更新されるものと思い込んでいました。しかし、雇用契約書には「契約期間満了をもって雇用関係は終了する」と明記されており、更新を保証する記載はありませんでした。

この場合、Aさんは雇用期間の定めのある契約であり、契約期間満了による雇い止めは、原則として有効と判断される可能性が高いです。ただし、雇い止め法理という考え方があり、過去の契約更新の実績や、更新への合理的な期待があったと認められる場合には、雇い止めが無効となることもあります。

事例2:無期転換ルールを知らずに契約を繰り返した結果

Bさんは、派遣会社を通じて複数の企業で契約社員として働いてきました。一つの企業での契約期間は通常1年で、更新を繰り返して通算5年を超えても、特に会社から無期雇用への転換の話はありませんでした。Bさんも「契約社員だから仕方ない」と諦めていました。

しかし、2013年4月1日に施行された改正労働契約法により、期間の定めのある労働契約が通算5年を超えて更新された場合、労働者からの申込みにより、期間の定めのない労働契約に転換できる「無期転換ルール」が導入されています。

Bさんがこのルールを知っていれば、通算5年を超えた時点で会社に無期転換の申込みをすることができました。しかし、ルールを知らなかったため、無期雇用に転換する機会を逃してしまったのです。

労働契約法 第十八条 期間の定めのある労働契約を締結している労働者が、当該期間の満了後も引き続き当該期間の定めのない労働契約の締結を希望し、かつ、次の各号のいずれかに該当する場合において、使用者が当該申込みを拒否したときは、当該申込みは、当該期間の定めのない労働契約の申込みとみなす。 一 当該労働契約が反復して更新されており、かつ、その雇入れの日から起算して五年を超えて継続している場合

覚えておくポイント

  • 雇用契約を結ぶ際は、雇用期間の有無と、期間がある場合はその終了日を必ず確認しましょう。
  • 期間の定めのある雇用契約の場合、契約更新の有無や条件も契約書で確認することが重要です。
  • 期間の定めのある雇用契約が通算5年を超えて更新された場合は、無期転換ルールの適用を検討できます。
  • 雇い止めや契約更新に関するトラブルが発生した場合は、労働基準監督署や弁護士に相談することを検討しましょう。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の事案に対する法的アドバイスではありません。個別のトラブルについては、必ず弁護士等の専門家にご相談ください。