婚姻障害とは

婚姻障害とは、民法などの法律で定められた、婚姻の成立を妨げる事由のことです。これらの事由に該当する場合、たとえ当事者同士が結婚に合意していても、法律上は婚姻が成立しません。

婚姻障害には、婚姻の要件を満たさない場合や、婚姻を認めることが社会的な秩序や倫理に反すると考えられる場合など、いくつかの種類があります。例えば、既に別の相手と婚姻している人が重ねて婚姻しようとする場合や、近親者同士の婚姻などがこれに該当します。

これらの障害があるにもかかわらず婚姻届が提出された場合、その婚姻は無効となったり、取り消されたりする可能性があります。

知っておくべき理由

婚姻障害について知らずにいると、思わぬトラブルに巻き込まれたり、将来設計が狂ってしまったりするリスクがあります。

例えば、あなたは長年交際してきたパートナーとの結婚を考えているとします。結婚式を挙げ、新居も決めて、いよいよ入籍という段階で、役所に婚姻届を提出したところ受理されなかった、という事態になるかもしれません。原因は、パートナーが実は前妻と離婚が成立しておらず、重婚の状態であったというケースです。この場合、あなたの婚姻届は受理されず、法律上の夫婦となることはできません。もし、この事実を知らずに結婚生活を始めてしまっていたら、法的には内縁関係に過ぎず、夫婦としての権利や義務が認められないため、財産分与や相続などで大きな不利益を被る可能性があります。

また、親族間の結婚を考えている場合、法律で禁止されている範囲の親族関係にあることを知らずに婚姻届を提出しようとすると、受理されません。例えば、叔父と姪の関係など、特定の親族間では婚姻が認められていません。このような場合、結婚を前提に進めていた準備が無駄になるだけでなく、精神的な負担も大きくなるでしょう。

婚姻障害は、単に「結婚できない」というだけでなく、その後の人生設計や財産、さらには精神的な安定にも影響を及ぼす可能性があるため、結婚を考える際には基本的な知識として知っておくことが大切です。

具体的な場面と事例

婚姻障害には、いくつかの具体的な種類があります。

  • 重婚の禁止
    • 既に有効な婚姻関係にある人が、さらに別の相手と婚姻することはできません。
    • 事例:夫が前妻との離婚手続きを完了させていないにもかかわらず、新しいパートナーと婚姻届を提出しようとしたが、受理されなかった。この場合、夫と新しいパートナーとの婚姻は無効です。
  • 再婚禁止期間
    • 女性が離婚後すぐに再婚することを制限する期間です。民法では、女性は前婚の解消または取り消しの日から100日間は再婚できないと定められています。これは、子の父親をめぐる混乱を防ぐための規定です。
    • 事例:女性が離婚届を提出し、その翌月に別の男性と婚姻届を提出しようとしたが、再婚禁止期間中であることを理由に受理されなかった。
  • 近親者間の婚姻の禁止
    • 扶養義務に影響する「親子のつながり」">直系血族(親子、祖父母と孫など)や三親等内の傍系血族(兄弟姉妹、叔父・叔母と甥・姪など)の間では婚姻ができません。ただし、養子とその養方の直系血族との間など、一部例外もあります。
    • 事例:叔父と姪が結婚を希望し、婚姻届を提出しようとしたが、民法で禁止されている近親者間の婚姻にあたるため受理されなかった。
  • 未成年者の婚姻
    • 2022年4月1日より、婚姻できる年齢は男女ともに18歳に引き上げられました。これまでは男性18歳、女性16歳でしたが、民法改正により統一されています。
    • 事例:17歳のカップルが親の同意を得て婚姻届を提出しようとしたが、双方とも18歳未満であるため受理されなかった。

これらの事例は、婚姻障害が実際にどのように結婚を妨げるかを示しています。

  • 婚姻障害とは、法律で定められた結婚を妨げる事由のことです。
  • 婚姻障害がある場合、婚姻届は受理されず、法的に夫婦となることはできません
  • 重婚、再婚禁止期間、近親者間の婚姻、未成年者の婚姻などが主な婚姻障害です。
  • 結婚を考えている場合は、パートナーの婚姻歴や親族関係を事前に確認することが大切です。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の事案に対する法的アドバイスではありません。個別のトラブルについては、必ず弁護士等の専門家にご相談ください。